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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第150号 ’02−08−30★
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ウェルズ連想
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●前号作成中、参照したTDLガイドの
記事の一つに目が留まりました。 「<ビジョナリアム>いよいよ9月
1日(日)まで」 えっ?! 「オープン以来、夢と空想の世界を体験
させてくれた、、360°のマルチスクリーンで楽しむダイナミックな
時間旅行。 ラストチャンスをお見逃しなく!」 そうだったか?!
今日は30日、あと2日限り。 ご用とお急ぎの無い方、どうぞ見納め
にお出かけ下さい、、 と言う私自身はすでに諦めております。 始め
あれば終わりあり、諸行無常、、 でも、
模様替えはツマラナイのから、にして欲しかったな。 実は私、ビジョ
ナリアムのファン。 1950年代の<シネラマ>の想い出に重なるショウ
だったからです。
*
シネラマは立体画像・立体音響を謳って、初期の作品は文字通り<見せ
もの>でした。 ローウェル・トーマスが、前大戦の中型爆撃機B−25
にカメラを載せ、世界中を飛び回って珍しい景色や風俗習慣を鳥瞰的に
収め、圧倒的迫力で見せてくれました。
海外旅行が自由化されてなかった時代(など今の人は想像も出来まいが)、
シネラマは一種の疑似体験。 自由化!で早々飛び出したのも、行って
全く違和感なく歩き回れたのもそのお陰だった、と今なお感謝している
くらいです。
カメラとコストのバカデカさのせいでシネラマは短命に終わりましたが、
それだけに懐かしさはひとしお。 ビジョナリアムには、それとの再会
に似た喜びを感じました。 TDLのメニュの中では比較的待ち時間が
少ない方でもあり、行けば必ず2度は、、の魅力がありました。
* *
念のために申せば話の筋は、タイムロボットがアチコチ覗いて回るうち、
1900年のパリ万国博に紛れ込み、講演に来ていたH.G.ウェルズ氏を
現代へ連れて来てしまう。 そこはSFのライバル、ジュル・ヴェルヌ
共々描いていたものが現実化された現代世界、、
案内役の美女?タイムロボットは、ウェルズの
<The Time Machine>のに比べて遙かに華奢な、一見小型UFO。 もうそれとも会えなくなる、
と悲しんでいる折も折、元祖<タイムマシン>が映画化されて劇場公開。
「強盗に殺されてしまった恋人を助けようとタイムマシンを作り出した
主人公が、その因果律を解明すべく80万年後の世界へ旅立って行く」
という話だそうですが、、隠居がわざわざ観に行くほどの映画ではない。
* * *
そしてシンクロニシティ、7月末の<世界・ふしぎ発見!第787回>、
<タイムマシンに乗った男>で、ウェルズ氏はTVにも登場。 そこで
初めて知ったのは、前記映画の監督サイモン・ウェルズが原作者の曾孫
であること。 (それにしては駄作、という評価もある) ところで
小説<タイムマシン>は1895年発表。
H. G. ウェルズの処女作であり、SFの先駆けでもありました。 アインシュタインが<運動する物体の
電気力学>なる論文で特殊相対性理論に初めて触れたのが1905年、即ち
科学者より10年も早く<4次元空間>を描いていたのだから、作家の
直観力、脱帽です。 ウェルズの第2弾は1896年、<ドクター・モロー
の島>、1996年マーロン・ブランド主演で映画化された時のタイトルは
<DNA>。 ウェルズ氏はバイオにおいても先駆的でした。
* * * *
同じく7月末、深夜番組では1979年のアメリカ映画<タイム・アフター・
タイム>。 主役ウェルズ氏の友人が実は殺人鬼<切り裂きジャック>
で、たまたま氏がタイムマシンを作ったのを悪用し、<未来>(映画の
中では1972年のサンフランシスコ)へ逃亡してしまう。
責任を感じたウェルズ氏は彼の後を追って現代へ飛び、映画的紆余曲折
を経て事件を解決し、(現実生活二番目の妻となる)エイミー・キャス
リーンを伴って1893年のロンドンに帰る、というお話。
この種のタイム・トラベルもの、アチラの人は本当にうまく作りますね。
特に面白かったのは銀行で両替する場面。 「このポンド、ドルにして
もらえるかね?」に銀行員、「もちろん。
ですが、、」その金をためつすがめつ、「古銭商へ行った方がレートが
良いだろうな、、」 で、いくらに? その答えを聞いてガッカリする
ウェルズ氏に銀行員、「ポンドは下がってるから、、」
その80年の間に英米の国力が逆転したことがほのめかされているわけ
ですが、<古い貨幣がそのまま通用する>点、単なるオハナシではない。
<その80年の間>に2度も世界的大戦争があり、英米両国はどちらに
おいても当事国だった。 にも拘わらず、ですからな。
後の方の戦争で一方の主役だった我が国では、戦前のカネが戦後、全く
通用しなくなった。 単位は<円>のままでも価値は桁々違い。 モノ
の生産で似た水準に到達したから「追い付いた」など思ったのは浅はか、
資本の重みや経済の厚みでは、一度も追い付いたことなどありはしない。
そこに気付かないのか日本人、舞い上がって墜ち、軽蔑を買いました。
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●そこからたちまち
連想はカネに飛ぶ。 私の自分用<海外旅行みやげ>は(写真のほかは)
現地貨幣。 貨幣にはその国の念力?がこもっていますからな。
武力行使も経済的進出も<戦争>、そして戦争は突き詰めれば国威発揚、
国勢拡大のため。 そして経済力が高まれば、その象徴たる貨幣に国威
が反映されるのは当然。 たとえば
大英帝国の旧ポンド時代は、1ペンス貨といえどもデカクて立派でした。
逆に金兌換停止後のアメリカでは銀ムク貨幣が無くなり、両面は銀だが、
間に厚い銅を挟んだ3層材が使われるようになったり。
当時はサーモ屋、バイメタル(2層材)に依存していたので、新貨幣に
は(その安っぽさにも拘わらず)妙な親近感を覚えました。
同じ3層材貨幣でもドイツのはもっと世知辛く、鉄を挟んで両面は真鍮。
鉄が錆びて文字や模様の平面にまで及び、キタナラシイのが多かった。
*
ついでに言えば、気のせいか王室を頂く国の貨幣は凝った模様、精密な
彫り、格調が高い。(中で我が国のは、残念ながら<低い>方) 国柄
や伝統への誇りが感じられます。 それに類する、と思うが
ペルー(を旅したことは無いが、相棒のN氏にマチュ・ピチュへの旅行
をプレゼントしたら、土産にくれた)のコインは、まさしく<黄金>色。
太陽の帝国インカの子孫たち、銅と亜鉛の配合比で黄金ライクの真鍮に
したんですな。 心意気と悲しさの両方を感じました。
* *
デザインはともかく、前記ウェルズ映画に戻して感心したのは、<長い
年月を超えた流通性>。 それは<経済的安定>の証拠でもある。
初めての渡米(1964)で手にしたコインの中で一番古かったのは、1920年。
一時期
<roaring Twenties> にことさら興味を抱いていただけに、このすり減った銀ムクのダイム(10セント)は私のタカラモノになりました。
年号で一番古かったのは、1911年。 これは初めての欧州旅行(1968)で
手にしたスイスの10サンチーム。 半世紀以上を経てなお現役!に感銘、
ネクタイ・ピンにしました。
しかしながら、(上品とは言えないアクセサリだから無視されても
仕方ないが)何でそれを? くらいは訊いてくれても良かりそうに、
カネが商売の銀行マンすら興味を示す風が無かった。
引き替え、目ざとかったのは外国人。 いきなり「それスイスの?」
と来る人もいて、狙い通り話の種になり、、で、感じたのは、
世界中の金持ちがスイスの銀行を利用するのは、一つには固い<守秘>
の安心ゆえでしょうが、それ以上、<貨幣価値の安定>への信頼の方が
重い
WANT なのではあるまいか。
貨幣のデザインは<流行>で変わることがあるにせよ、価値は<不易>
であって欲しいもの。 映画のウェルズ氏は(実は殺人鬼も)気が急く
からでしょう、古銭屋へは行かず、鷹揚にその銀行で替えておりました。
上下はしても不易のポンド、不易のドル、、
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●ほかにもあった
変わらないもの、それは人間の<救いがたさ>。 技術の進歩で、未来
世界の人間は限りなく向上しているはず、、のウェルズ予測は的中せず、
全く良くなってなかった。 人類史的に不易、ですな。
そして映画の終わり、19世紀に帰ろうとするウェルズ氏にエイミーが
何故? と訊きます。 彼の沈んだ答え、「そこが自分の居るべき場所
だし、このタイムマシンをそこでバラしてしまわなくては、、」
「人類が完璧な存在になるまでは、時間を操るべきでない、、」からだ、
と。 じゃ、永久に、だな。 そして「これを題材に小説を書くつもり。
どの時代も変わりは無い。 愛があればこそ耐えても行けるのだ、、」
おお、愛こそは不滅、不易、、
*
そうは申しますが、渡る世間は鬼ばかり。 汝の敵を愛するなんて容易
じゃありません。 まして損得勘定のビジネス世界、なまじの<愛情>
は時に災いの元。 で、どうします?
お勧めは例によって
Ratioanl Process。 質問で筋を押えれば、相手の意図はすぐ読めます。 そこで<敵>にアドバイスしましょうよ、
それを
MUST にするのはまずいのではありませんか? とか、ほかにもこういう
WANT があり得ますね? とか、いや、こういう案も選択肢に含められるでしょう? とか。
* *
たとえ<愛>は無くとも、<適切なアドバイス>でより良い判断に導く
ことが出来、頑なな相手もあなたの<愛>と間違えて感じてしまうほど
ハッピーな、<なまじ>でない結論が出せるかも知れません。
ベタベタせず、しかも<愛>に満ちた判断。
Rational Process はそれを可能とする技法です。 不易の愛、不滅の
Rational Process !
ウェルズ氏も深くうなずいてくれることでしょう。
■竹島元一■
■今週の
<私の写真集から>は、★異次元的★
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